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『オズの魔法使い』の裏側を描いたミュージカルの傑作が、待望の実写映画化!
『ウィキッド』は、善と悪の境界を問い直す重厚なストーリーと心揺さぶる音楽で、世界中の観客を魅了し続けてきました。
2025年3月7日公開の本作は、原作ミュージカルの持つドラマ性と映像美を最新技術で再構築し、映画ファン・舞台ファンの双方から熱い視線が注がれています。

基本情報(公開日・監督・キャスト・前作との関係など)
項目 | 内容 |
---|---|
公開日 | 2024年11月27日(全米公開)/日本公開日未定 |
監督 | ジョン・M・チュウ(『クレイジー・リッチ!』) |
原作 | グレゴリー・マグワイア著『ウィキッド』/ブロードウェイ・ミュージカル |
主演 | シンシア・エリヴォ(エルファバ役)、アリアナ・グランデ(グリンダ役) |
前作との関係 | 『オズの魔法使い』の“裏側”を描いたスピンオフ的物語。 |
その他の出演キャスト紹介
役名(英語名) | 演者(英語版) | 日本語吹替声優 |
---|---|---|
エルファバ(Elphaba) | シンシア・エリヴォ | 高畑充希 |
グリンダ(Glinda) | アリアナ・グランデ | 清水美依紗 |
フィエロ(Fiyero) | ジョナサン・ベイリー | 海宝直人 |
ネッサローズ(Nessarose) | マリッサ・ボーディ | 田村芽実 |
ボック(Boq) | イーサン・スレイター | 入野自由 |
ファニー(Pfannee) | ボーウェン・ヤン | kemio |
シェンシェン(Shenshen) | ブロンウィン・ジェームズ | ゆりやんレトリィバァ |
マダム・モリブル(Madame Morrible) | ミシェル・ヨー | 塩田朋子 |
オズの魔法使い(The Wizard) | ジェフ・ゴールドブラム | 大塚芳忠 |
ディラモンド教授(Dr. Dillamond) | ピーター・ディンクレイジ | 山寺宏一 |
ネタバレなしのあらすじ
魔法の国・オズで、緑色の肌を持つ少女エルファバは、生まれながらにして人々から恐れられていた。
一方、美しく人気者のグリンダと出会ったことをきっかけに、エルファバの運命は大きく動き出す。
友情、信頼、誤解、そして「悪」とされたものの正体とは?
この物語は、「悪い魔女」エルファバの視点から描かれる、もう一つの“正義”の物語。
ネタバレありの詳細解説(展開・結末・演出の特徴など)
※以下、映画の展開に関するネタバレを含みます。
エルファバとグリンダは、学校で出会い、対立しながらも友情を深めていく。
やがてエルファバはオズ国の腐敗を目にし、真の正義を求めて“悪”とされる道へ。
グリンダは社会的立場を守るため、表の“善”の象徴となるが、その選択は決して無傷ではない。
終盤、エルファバは自らの死を偽装し、愛する人とともにオズの支配から逃れる決断を下す。
名曲「For Good」に乗せて描かれる2人の別れは、観客に深い余韻を残す。
キャラ・演技の考察/魅力解説
エルファバ(シンシア・エリヴォ)
正義感と孤独を抱えた複雑なキャラクターを圧巻の歌唱と演技で表現。特に「Defying Gravity」は鳥肌モノ。
グリンダ(アリアナ・グランデ)
外見の華やかさとは裏腹に、揺れ動く内面を巧みに演じ、単なる“お飾りキャラ”に終わらない深みを見せた。
フィエロ
愛と正義の間で揺れるキャラとして物語に深さを加える存在。恋愛の描写も過度にならずバランスが良い。
作品テーマ・社会的背景の考察
「悪」とは誰が決めるのか?という問いを通して、観客は“正義の顔をした暴力”や“同調圧力”に気づかされる。
また、異質な存在を排除する社会構造、メディアによる情報操作、女性の生きづらさといった現代的テーマも内包。
舞台版以上に、現代社会に生きる私たちが抱えるジレンマとリンクしており、単なるファンタジーを超えたリアルな問題提起がなされている。
前作や類似作との比較
比較対象 | 違いや共通点 |
---|---|
『オズの魔法使い』 | “善の魔女”と“悪の魔女”の立場が逆転。既存のストーリーに新たな視点を加える。 |
『マレフィセント』 | “ヴィランの再解釈”というテーマでは共通。だが『ウィキッド』の方が政治的で人間ドラマが深い。 |
どんな人におすすめ?
- “正しさ”に疑問を抱く人
- 悪役の背景や心理に興味がある人
- 歌や音楽の力で感動したい人
- ファンタジーと社会問題の融合に惹かれる人
- 舞台『ウィキッド』ファン&アリアナ・グランデのファン
感想|心を撃ち抜かれた「悪」の真実
「悪の魔女って、こんなに純粋だったんだ」――上映後、最初に抱いた感想はこの一言に尽きます。
誰かを“悪”と決めつけることがいかに簡単で危険なのか。エルファバの葛藤と覚悟は、どこかで私たち自身にも重なります。
シンシア・エリヴォの迫真の演技と歌声、アリアナのチャーミングな存在感。
そして友情のラストシーンで自然と涙がこぼれました。
単なる映像作品ではなく、心の価値観を揺さぶる“体験”だったと思います。
考察|“悪役の誕生”は社会によって作られる
『ウィキッド』が描くのは、「悪い魔女」の再定義ではなく、“悪というレッテルを貼る社会”そのものへの批判です。
- 本当に彼女は悪だったのか?
- なぜ正義の立場から堕ちていったのか?
という問いかけを、グリンダという“善の象徴”との対比で際立たせています。
この映画が恐ろしいほど現代的なのは、「誰もが正義になれるし、同時に悪にもなる」という曖昧な立場を浮き彫りにしている点です。
“少数派”や“異質な存在”が排除される構造そのものを、観客に突きつけてきます。
まとめ
『ウィキッド』は、ただのスピンオフではありません。
“物語は誰が語るかで姿を変える”という真理を、圧倒的なビジュアルと音楽で届けてくれる、まさに21世紀版の寓話です。
「自分はどちらの立場で、何を信じて生きるのか」
観終わったあと、そんなことを静かに考えさせてくれる珠玉の一本でした。
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