あの「転職の魔王」でも出てきたキッチンカー(移動販売)の開業までを注意点も踏まえて徹底解説

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みなさん「転職の魔王」観ましたか?「キッチンカー」出てくるシーン覚えてますか?
ドラマの中では夫婦が営む様々なランチのメニューを提供しているキッチンカーが出てきます。

また、キッチンカーには夢があります。
自身のお店を持つこともできますし、そのお店を全国各地で展開し様々なお客様に提供できる。
そんな場所を問わない自分のお店って、最強じゃないですか?

ですが、それには許可やキッチンカー営業するための設備が必要になってきます。

今回は、そういったことを踏まえて「キッチンカー」開業までを徹底解説していきます。

この記事を見てわかること
  • キッチンカーとは
  • キッチンカーを出店するのに必要な設備
  • キッチンカーを出店するのに必要な許可や資格

キッチンカーとは?

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そもそも「キッチンカー」とは、車内で食品を調理できる設備を備えた車両のことを指します。
別名:フードトラックやケータリングカー

キッチンカーでは、カレー、ケバブ、丼、唐揚げ、ジュース、クレープ、コーヒー、たこ焼きなど様々な料理が提供されています。

キッチンカーの営業前に必ず必要な保健所の審査とは?

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よし!キッチンカーで個人事業主として開業していこうと決めましたが最初に直面する問題が
「保健所の営業許可」です。

保健所の営業許可が認可されないと、そもそもの営業ができないのでいくら内装がおしゃれで美味しいメニューができていたとしても、お客様のもとに自身のメニューを口にしてもらう事はできないからです。

ではまず、保健所の審査でチェックされる内容は以下になります。

  • 給水・排水タンクの容量
  • 運転席と調理場所の仕切り
  • シンクの数と大きさ
  • 冷蔵、冷凍庫
  • 手洗い石鹸と消毒の設備
  • 棚や収納ケース
  • 換気設備
  • ゴミ箱
  • 衛生を保ちやすい材質

以上が保健所から審査されるチェックポイントとなります。

上記の内容についきましては下記のでまとめておりますので、参考にしてみてください。

チェック

保健所の審査を突破するためのチェックポイントについて分かりやすく解説!!

整備が整ったら次はキッチンカーに必須調理器具のご紹介!!

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ここではキッチンカー開業に向けて基本的な設備や調理器具などをご紹介いたします🎵

加熱機器

店内調理の場合は、加熱機器は必要不可欠です。
主な加熱機器として「カセットコンロ・プロパンガス・家電調理器」があります。
ガス調理の場合は直接調理器を置く訳にはいきませんので、五徳を設置する必要がございます。
種類によっては数千円〜数万円と価格は様々です。

五徳とは?

炭火などの上に設置し、鍋やヤカンなどを置くための器具。
具体的には、様々な熱源(火鉢や七輪など)の上に置いて、ヤカンや網焼きなどを置く為に用いられる。

以下にAmazonで売れ筋の五徳を紹介しておきます。↓↓

重要項目「シンク」

キッチンカーには、手洗い専用と調理道具等の洗浄用と分けて2つのシンクが必要とされています。
さらに、洗浄後の手指の再感染が防止できる構造になっている必要があります。
そのため、シンクの水栓の構造は主に、センサー式・足踏み式・レバー式であることが必要不可欠という事になります。

おすすめは手に触れなくても利用できるセンサー式になります。

以下にAmazonで売れ筋の水栓を紹介しておきます。

重要項目「給水・排水タンク」

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給水タンクや排水タンクは、その提供するメニューによって定められている規定量が異なります。
また、2021年6月の食品衛生法の改定に伴い、①40リットル程度、②80リットル程度、③200リットル程度に統一されており、その容量によって調理工程に規定が設けらております。

給水・排水タンク容量が40リットル程度

  • 単一品目のみ取り扱える
  • 簡易な調理のみ(温める・揚げる・盛り付け等)を行うことができる
  • 使い捨て容器(食器)を使用する

給水・排水タンク容量が80リットル程度

  • 単一品目のみ取り扱える
  • 簡易な調理のみ(温める・揚げる・盛り付け等)を行うことができる
  • 使い捨て容器(食器)を使用する

給水・排水タンク容量が200リットル程度

  • 単一品目のみ取り扱える
  • 簡易な調理のみ(温める・揚げる・盛り付け等)を行うことができる
  • 使い捨て容器(食器)を使用する

さらに、ここで問題になるのが「仕込みが可能なのか」と「仕込み場所」についてです。

ここでは大阪府が出している基準をもとに解説していきます。
大阪府ではⅠ型(40型)・Ⅱ型(80型)・Ⅲ型(基本型)となっており、基本型をⅢ型としております。ただ、給水タンクや取扱食品の制限などにより、Ⅰ型やⅡ型による営業も可能にしております。
下処理については以下の表にまとめました。
さらに、令和3年6月1日より食品衛生法の改正によりHACCPに沿った衛生管理が義務化されました。

車内での下処理給水・排水タンク手洗いシンク
Ⅰ型✖︎40リットル以上洗浄用シンクと兼用可
Ⅱ型✖︎80リットル以上洗浄用シンクと別に設けること
Ⅲ型可能200リットル以上洗浄用シンクと別に設けること
大阪府での「自動車での食品営業について」より抜粋

HACCPとは?

HACCP=「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略称で、原則として食品事業者自らが食中毒や異物混入といった危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から最終工程である製品(商品)の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を無くす又は危険因子を低減、製品(商品)の安全を確保しようとする衛生管理の手法です。
詳しくは厚生労働省が出しているこちらを参照ください。

HACCPに沿った衛生管理の義務化とは何をするのか?

主に営業者が行うものとなっており、厚生労働省より以下抜粋。

  • 「一般的な衛生管理」に合わせて「HACCPに沿った衛生管理」に関する基準に基づき衛生管理計画を作成し従業員に周知すること
  • 清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について具体的な方法を定めた手順書を作成する
  • 衛生管理の実施状況を記録保存管理する
  • 衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に(及び工程に変更が生じた際等に)検証し(振り返り)、必要に応じて内容を見直す

以上が義務化された内容となっております。
正直、今まで飲食関係でアルバイトやお仕事をされた方ですとほとんどの内容はされてきたのではないかと思いますが、より徹底した衛生管理と行き届いた衛生管理レベルの向上を図った政策ですね。

運転席と調理場の「仕切り」

これは、食中毒を防いだり衛生管理を徹底する為にも必要不可欠となっております。
ただ、軽トラックをベースにキッチンボックスを搭載する場合は大丈夫ですが、エブリィやハイエースといったバンタイプの車両については対応が必要になってきます。

重要項目「手洗い石鹸と消毒」

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食品を扱う際に最重要項目と言っても過言ではないのが「食中毒」です。
「O-157」や「ノロウイルス」は一年を通して発生しますのでお客様の口に入らないように徹底的に衛生管理に努める必要がございます。

その為、常に手洗いができる石鹸やアルコール消毒・キッチンペーパーは切らすことなく補充が必要となっております。

またこの「O-157(腸管出血大腸菌)」のほかに「O-26」や「O-111」などが知られており、一般的には気温が高い初夏から初秋にかけて発生します。
また、平成8年11月に佐賀県内で「O-157」に感染した施設内で採取されたハエからも同様に「O-157」が検出された事例もあることから食品事業者には特に徹底した衛生管理を心がけて頂きたく思います。

蓋ができるゴミ箱

車内には蓋付きで臭いや水分が漏れないゴミ箱が必要です。
掃除がしやすく耐水性物をお勧めします。
悪臭漂いハエが侵入している調理場から提供される食べ物は誰も好みませんし良い印象はないですので衛生管理面からも徹底して設置するようお願いいたします。

冷蔵・冷凍設備と電源装置

食材に保存が必要な際には必ずこの冷蔵・冷凍ができる設備が必要となってきます。
設置に伴い、走行中も電源は入れておかなければいけないので、電源装置も必要不可欠です。

また、調理台としても利用できるコンパクトな冷蔵庫は便利でスペースの有効活用にもなりますのでお勧めです。

冷蔵庫に保健所から大きさの基準などはないので利用する車両と調理スペースを考慮した冷蔵庫を置いてください。

ここで一旦おさらいです!!

一旦ここまででおさらいをしておきます。
以下の赤色がこれまで説明してきた設備になります。

設備の確認
  • 給水・排水タンクの容量
  • 運転席と調理場所の仕切り
  • シンクの数と大きさ
  • 冷蔵、冷凍庫
  • 手洗い石鹸と消毒の設備
  • ゴミ箱
  • 棚や収納ケース
  • 換気設備
  • 衛生を保ちやすい材質

保健所からの営業許可が認可されないと営業をできないのと
「実際結構設備費用かかるな・・・。」
「もっと簡単な方法ないの?!」
とお考えの方に、「フードトラックカンパニー」というキッチンカーに特化した会社もありますので
ぜひこちらも参照になってみてはいかがでしょうか?

重要項目「換気扇」

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加熱調理を行うキッチンカーでは、換気扇を設置していないとほとんどの場合、保健所からの審査で許可が下りません。また、換気扇の隙間から虫やゴミが入らないように、網戸をつけることをお勧めします。

換気扇を設置することで、調理場内の環境も風通しの良いもになりますし、特に夏場では室温が上昇し熱中症のリスクや食中毒のリスクを低減できたりと、設置しない理由がないですよね。
もちろん、窓があるからといって保健所は許可しないので換気扇の設置は必須条件となります。

棚や収納ケース(トビラ付き)

キッチンカーで使用される様々な消耗品(使い捨てトレー)などは安全で清潔に保管するために、収納棚や収納ボックスの設置が必要です。
清潔にしておくために、トビラ付きのものを設置する必要があります。
それは、保健所の営業許可審査の際に、自治体によっては虫などが入らないようにトビラの設置と隙間の確認がされるからです。

「衛生を保ちやすい材質」

保健所からは衛生管理のため、車内の壁や床、キッチンなどがチェック対象にもなります。
例として、水拭きができるか、防水・撥水加工がされているかなどを条件として提示してくる場合もありますので、一度チェックしておきましょう。

キッチンカー開業の前に資格の取得を!!

キッチンカーの設備が整ったところで、次は資格の取得に移りましょう。
安心してください、資格は1つで大丈夫ですので、気軽に取得して行きましょう🎵

資格「食品衛生責任者」の取得について

食品衛生責任者の資格を取得する為には、以下の資格を取得する必要があります。

  1. 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、船舶料理士、食品衛生管理者(注1)の有資格者であること。
  2. 都道府県知事等が行う食品衛生責任者になるための講習会または都道府県知事等が適正と認める講習会の受講修了者。

(注1) 医師・獣医師・歯科医師・薬剤師または、学校教育法に基づく大学で、医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・水産学・農芸化学の課程を修めて卒業した者等。

現在では、各都道府県が行う講習会だけでなく、eラーニングでオンラインでの講習会を参加することで「食品衛生責任者」になることができます。

eラーニングでの取得がオススメ!!

eラーニングでの内容を以下にまとめます。

受講料12,000円
学習時間6時間
受講要件・運転免許証、マイナンバーの所有者
・年齢が17歳以上
eラーニングでの取得内容

最後に必要書類を揃えましょう

保健所によっては提出する書類は異なりますが、基本的には以下の書類が求められます。

  • 営業許可申請書
  • 営業設備の大要、配置図
  • 仕込み場所の営業許可証の写し
  • 営業の大要
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの(手帳または修了書など)
  • 車検証の写し
  • キッチンカーの車庫証明
  • 仕込み場所の水質検査証明書
  • 検便検査成績書

これらの必要書類は基本になりますので、開業を検討中の方は事前に管轄の保健所に一度ご連絡をして頂き、再確認することをお勧めいたします。

最後に

最後までご覧いただきありがとうございます。
今回は、あの人気の「転職の魔王」でも登場した「キッチンカー」の開業についてご紹介いたしました。実際のところ
「開業はできたけど、将来が不安だ」
「このまま、続けられるか分からない」
といった、不安なお声を耳にしますが、開業してすぐに思うことではありません。

開業という自身のチャレンジに不安になってしまうと、それ以降の人生でも先の将来に自信が持てなくなってしまいます。
分らないことはそのままにせず、知人や行政に聞いてみると凄く心が楽になるのと、そういう状況ですと自身の現状が理解できてない時がありますので、他人に聞いてみるのもありだと思うので、ぜひnフリーランスとして活躍の幅を広げてみてください。

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